事例31

取水堰を兼ねた全断面魚道の事例

既設取水堰の老朽化により、魚道機能を付加した新規取水堰が設置されました。現場状況に応じた工夫、例えば、流量の少ない場合にも機能するよう、全断面の一部を切り下げて、魚の移動経路(越流水深)を確保した構造になっています。

事例32

取水堰の既設魚道の機能向上期待した護床工を兼ねた緩傾斜魚道の事例

河床低下により機能低下していた扇型魚道と下流突出状の階段式魚道の機能向上を目的に、粗石付護床工ブロック(魚道機能付加)を設置した事例です。河床低下による扇状魚道との落差解消のため、屈とう性を有する護床工ブロックを用いて低水路構造として擦付け、魚類の移動経路(適度な水深と流速)を確保しています。また、下流突出の階段式魚道へも誘導した擦付け構造にしています。

事例33

河床低下による帯工の落差を全断面魚道とした事例

河床低下に伴い落差が生じた帯工の改修で、階段式魚道を採用して、魚道機能と河床低下の抑制(桟型の大きな粗度構造として減勢機能)を付加した事例です。また、流量の少ない場合にも魚道として機能するよう、全断面の一部を切り下げて、魚の移動経路のための越流水深を確保した構造にしています。

施工前の状況

● 施工後の状況

事例34

河床の安定をはかるため設置された緩傾斜落差工:全断面魚道の事例

魚道設置にあたっては、護岸の水際植生を期待する構造に工夫すると共に、魚道内の越流部・非越流部の幅を魚類が遡上しやすい構造としました。20年経過して、魚道内には適度な土砂が堆積して、渓流域のステップ&プールの河床構造が形成されています。自然河床と同様な浮石構造により、鳥類からの捕食圧の軽減効果が期待できる構造が創出されています。

● 施工直後

● 施工約10年後

● 施工約20年後

事例35

魚類の迷入防止や流量変動に配慮した事例

既設取水堰の水叩下流側の河床低下に伴い、下流突出型と魚類の迷入防止の扇型を併設した構造です。水位変動、特に流量の少ない場合に魚類等の移動経路(越流水深)が確保される様に、隔壁(ステップール)の一部を低く設置した構造になっています。

迷入防止のため、下流突出型と扇型の併用した構造(本堤部は扇型のみ)

堰本体の下流側に扇型構造に設置された状況

流量の少ない状況

流量の多い状況

事例36

床止工に2種類の魚道タイプを設置した事例

水位変動に対応しながら、多様な水深・流速場が創出される様、V字横断面状にブロックを設置しています。中央部にはアイスハーバータイプ(瑞流)、中央部から水際にかけて粗石付タイプ(せき流)を配置しています。また、粗石付魚道(せき流)の植石は中央部から水際部にかけて縦断方向のピッチや石材径を工夫して多様な水生生物が移動できる様に配慮しています。また、下流の護床工区間には沈床工による魚類の生息環境にも配慮した構造としています。

● 緩傾斜落差工の全景

● 施工後の状況

● 施工後約15年の状況

魚道ブロック3タイプの流況

事例37

床止工に魚道機能を付加した全断面魚道の事例

橋梁下部工の洗掘対策として設置された床止工に魚道機能を付加した事例です。Ⅴ字横断面状にブロックを施工することで、多様な水深・流速場が創出され、水位変動のある現場でも魚類等の移動経路を確保することが出来ます。また、下流側の護床工ブロックもV字横断面状にすると共に、寄石を施した遊泳力の弱い魚類にも配慮しています。

床止工の全景

下流水際部の状況

V字横断構造による流況

事例38

取水堰を改修し、魚道機能を付加した全断面魚道の事例

農業用取水堰を緩傾斜落差工に改修した全断面魚道の事例です。横断方向中央部のブロックを低くⅤ字状に設置することで、水位変動に対応しながら、多様な水深・流速場が創出されます。また、中央部には粗度の大きな粗石付き魚道ブロックを設置しているので、流量の少ない時でも水深が確保され、魚類等の移動経路を創出する構造となっています。

● 施工前の状況

● 施工直後の状況

緩傾斜落差工(全断面魚道)全景

中央部の擬石魚道ブロック流況(リップラップ)

● 施工数か月後の状況

事例39

取水堰を改修し、魚道機能を付加した全断面魚道の事例

既設落差工を緩傾斜落差工に改修した全断面魚道の事例です。横断方向中央部のブロックを低くⅤ字状に施工することで、流量の少ない時でも水深を確保でき、魚類等の移動経路を創出する構造となっています。また、水際植生が期待できる様、護岸には植生ブロックが用いられ、鳥類から捕食されないように魚類の移動経路としても工夫されています。

● 施工中の状況

● 施工直後の状況

● 施工後5年の状況

● 施工後約12年の状況

事例40

魚類に配慮した床止工や護岸の事例

災害復旧で、河床低下対策として設置された床止工の一部を低くし、魚類の移動経路を期待した構造です。
護岸は、水際植生・カバーによる魚類の移動経路を期待するブロック構造、かつ、植生が期待できない冬期景観に配慮したブロック構造です。
施工1年ほどで、護岸工・帯工周囲には、河原や水際植生、澪筋や寄り洲が創出され、魚類の生息に配慮した環境になりつつあります。

● 被災直後

河床低下や側方浸食によって被災を受けた護床・護岸の状況

● 災害復旧直後

植生や景観に配慮した護岸(素材:擬石の大きさ・明度等)
魚類に配慮した帯工(低々水路構造:水深確保等)。

● 復旧後約1年

帯工の低々水路構造により水深が確保された状況

擬石護岸ブロックの植生状況

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